マゼランペンギンは比較的冷たい海を好む中型のペンギンです。

分布は主に南アメリカ大陸南端から東岸にかけて、およびフォークランド諸島……なのですが、彼らがユニークなのはその移動範囲。飛べないにもかかわらず、渡り鳥並みなのです。

渡り鳥並みの行動圏

マゼランペンギンの繁殖地はマゼラン海峡の東西とフォークランド諸島で、ヒナは数ヵ月間親ペンギンと暮らしたあと、海上での生活を始めます。

性成熟するまでの2、3年間を海上で過ごし生まれ故郷に帰ってくるのですが、彼らは大西洋側では遠くブラジル・リオデジャネイロでも観察されるそうです。

マゼラン海峡からリオデジャネイロまでともなると、3000km以上もの距離を移動していることになりますから、たとえばツバメ並みの行動圏だといえるでしょう。

ペンギン 移動距離

ペンギンなぜ泳ぐ

しかし、なぜこれほどの距離を泳ぎ回るのかはよくわかっていません。南アメリカ大陸の大西洋側は食料も豊富で、深刻なエサ不足に陥ることはないようです。

また、成体になる前の若いペンギンは数年に渡って外洋暮らしですから、越冬というわけでもなさそうです。比較的寒さには強い種でもあります。不思議な習性といってしまえばそれまでなのですが、なにか彼らなりの事情があるのかもしれません。

漂流者

生態としてではなく、ある種の事故で長距離を移動してしまうこともあります。迷子ですね。この場合は生態・分布の話ではなく、実際にいち個体が移動した距離がわかります。2007年には、群れからはぐれてしまった個体がマゼラン海峡から遥か5000km、赤道からわずか14度のペルー沿岸で観察されています。

ほとんど南極海から赤道近くまで移動したことになりますが、故郷とはずいぶん違った海までたった一羽で旅をしてきたこの個体は、幸い羽にかすり傷を負っている程度だったそうです。

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まとめ

一年を通じて同じ場所に棲む鳥を留鳥といいますが、多くのペンギンはこの留鳥です。そんな中、謎の回遊行動を見せるマゼランペンギン。イワトビペンギンやコウテイペンギンのように派手ではないかもしれませんが、ユニークな種ではないでしょうか。

参考:
BBC NEWS | Americas | Confused penguin strays 5,000km, “http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/6647485.stm”

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